
私 先日骨折してしまいました。
ギブスでお風呂に入れないし、すごく不便。
早く治したいです。
何かできることはないんでしょうか。
牛乳はたくさん飲んだほうが良いですよね?
他に良い食べものがあったら知りたいです
骨折すると、日常が一変します。
動かせない手足は想像以上に不便で、大変。
骨にとって良いことって何でしょうか。
骨が強くなるのに必要な栄養素があります。
骨折してもしなくても、将来の骨粗鬆症予防のためにも、
骨に良い栄養素を知って、この先も強い骨を維持したいですね。

忙しい方はハイライトした箇所だけ目を通してください
骨を強くするために必要な栄養素10個

・・・・・多すぎる。
これ全部必要なんでしょうか?

はい!もっとありますがとりあえず。
他にも、リン、銅、マンガン、亜鉛、
などのミネラルも骨の維持に大切です。

・・・・・・・
まずは、骨って一体どうなっているのか、ザックリ説明します。
骨の構造をザックリ簡単に

建物の鉄筋コンクリートの構造をイメージしてみてください。
鉄筋の骨組み部分と、その周りを覆っているコンクリートでできています。
骨を鉄筋コンクリートに例えると・・・
骨が強い、とはどんな状態なのか
骨の強さとは、骨の質と、骨の量 によって決まります。
骨の質と骨の量 両方ともしっかり満たされることで、
柔軟性があり、丈夫で骨折しにくい骨が出来上がります。
骨密度検査とは、何を測っているのか?
骨密度検査の結果は、
コンクリートの密度=カルシウムの密度
を計測したものです。
骨の質であるコラーゲンの状態は反映しません。

骨密度検査の結果が良かったから大丈夫〜、と安心している人も、
鉄筋部分であるコラーゲンの状態が悪ければ、骨は弱くなっている、ということ。
骨折のリスクは高まります。
強い骨を作るためにはどうしたら良い?
口から入ってきた栄養が、しっかり代謝されて、
骨(鉄筋コンクリート)を作る材料になる必要があるのです。

じゃあ、カルシウムと、コラーゲンを食べれば良いのね?
でもコラーゲンって何だっけ?カルシウムは牛乳?
骨を作るためには、材料のカルシウムと、コラーゲンだけではなく、様々な栄養素の助けが必要です。
共同作業で強い骨が作られていくのです。
骨を作る栄養素と、その食材

骨質:コラーゲンの合成に必要な栄養素
コラーゲンはタンパク質とビタミンCと鉄から作られます。

だったらコラーゲンを食べればいいんでしょ?豚足?ふかひれ?

コラーゲンは食べても消化の過程で分解されてしまいます。
そのまま利用されることはないのです。
ただ、分解途中にコラーゲンペプチドという小さいアミノ酸になり、
これがコラーゲンの合成を促すことがわかっています。
なので、コラーゲン摂取は有効です。
⒈ ビタミンC コラーゲンの材料
鉄の吸収も助けます。
☞アセロラ、赤ピーマン、ブロッコリー、レモン、キウイ
⒉ 鉄 コラーゲンの材料
鉄の吸収率を上げるのに、ビタミンCが必要です。鉄はビタミンDの活性化にも関与します。
植物性の鉄は動物性の鉄よりも吸収率が低いです。ほうれん草を大量に食べるよりも、レバーを少量食べるほうが、効率的です。
☞煮干し、豚肉レバー、鶏肉レバー、鶏卵、あゆ、青のり、焼き海苔、ごま
⒊ タンパク質 コラーゲンの材料
体の中で様々な化学反応を促進する酵素の材料がタンパク質です。タンパク質が不足すれば、消化酵素も減ってしまうので、せっかく摂取した栄養素の吸収率が悪くなってしまいます。
☞肉類、魚類、豆製品、卵
骨質:コラーゲンの劣化を防ぐ栄養素
年齢とともに、コラーゲンは劣化して骨質が落ちてしまいます。このコラーゲンの劣化速度を早めるのが、ホモシステインというアミノ酸です。ホモシステインを減らすためには、以下の3つの栄養素が必要です。
⒋ ビタミンB6
タンパク質の吸収率を上げてくれます。,
☞レバー、鶏肉、牛肉レバー、カツオ、マグロ、ニンニク、鮭、胡麻、アボガド、ピスタチオ
⒌ ビタミンB12
ビタミンB6とともにタンパク質代謝に関与。
☞あさり、牛肉レバー、あさり、いくら、サンマ、煮干し
⒍ 葉酸
貧血も予防。
☞鶏肉レバー、牛肉レバー、生うに、のり、緑茶、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆

ホモシステインの値が高い人ほど、心臓疾患による死亡率が高くなる
とも言われていますよ。

嫌だ怖い!
ホモシステイン!

ホモシステインを減らすために、ビタミンB6やB12、葉酸を取ると、
心筋梗塞のリスクを40%減らせる、という報告もあります。
ビタミンB群はしっかりとりたいですね!
骨量:カルシウムが骨になるために必要な栄養素

⒎ カルシウム
摂取したカルシウムは胃酸で溶かされ、小腸で吸収されるのですが、吸収率が低いです。
年齢とともに吸収率は下がるので、高齢者ではより多くの量が必要になります。
マグネシウムとビタミンD3を摂取することで吸収率が高まります。
☞干しエビ、煮干し、イワシ、シラス干し
牛乳について
牛乳の中にはカゼインというタンパク質が含まれます。カゼインは分解されにくいため、消化されないまま腸に入り、お腹の調子を崩す人がいます。これを繰り返していると、アレルギーを引き起こします。
カルシウムとマグネシウムは体内で1対1のバランスで協力しあってバランスをとっています。
しかし、牛乳はカルシウムとマグネシウムが11対1。かなりバランスが悪く、大量に摂取したカルシウムが体内のカルシウムとマグネシウムのバランスを崩してしまいます。
骨のために、と牛乳を沢山飲むのはオススメしません。
⒏ マグネシウム 骨量の安定化に関与。
カルシウムが骨になるには、不安定なカルシウムをマグネシウムによって安定化させる必要があります。
カルシウムを摂取する際は必ず、マグネシウムも摂取します。
☞あおさ、わかめ、ひじき、アーモンド、玄米、ニガリ.
⒐ ビタミンD 骨量の維持に関与。
カルシウムが腸で吸収されるように助けます。さらに、血中に入ったカルシウムが骨に沈着するのを促進します。
日光に1日15分以上当たると、活性型のビタミンDになります。
魚の干物や干し椎茸はすでに活性型のビタミンDが含まれています。オススメ。
☞ キクラゲ、シラス干し、いくら、紅鮭、サンマ
⒑ ビタミンK 骨密度増加、骨質の改善にも関与
コラーゲンの合成を促進し、カルシウムが骨に沈着するのも促進します。骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きもあります。骨の増強維持に不可欠です。
☞緑の濃い葉野菜、卵、キムチ、納豆など発酵食品
油と一緒に取ると吸収が高まります。
1日納豆1パックで推奨量を摂取できます。
栄養素以外で骨にとって大切なこと
➡︎ 運動
骨が縦方向の衝撃を受けることが大切です。
踵から足裏全体で自分の体重を支える動きで骨を刺激します。
☞こまめに家事で動きまわる、散歩30分、軽い運動
➡︎ 太陽
ビタミンDを活性化して、カルシウムが骨になるのを助けます。
紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類あり、ビタミンDを活性化するのはUV-Bです。
☞夏場に木陰で30分、冬場は1時間、が理想とされています。

冬場はカーテン開けて、部屋で運動したらいいわね!

UVーBはガラス越しでは遮断されてしまいます。
ただ日焼けするだけです。
ビタミンDは作れません。
必ず、窓を開けるか、屋外で!直接太陽に当たってください。
ただ、夏場に長時間 強い紫外線を浴びると肌トラブルの原因になりますから注意です。
- UV-A:皮膚の老化の促進 コラーゲンを破壊し、シワ、たるみの原因になります。
- UV-B:皮膚細胞のDNAを傷つけます。炎症、シミ、の原因になります。

骨も大事だけど・・・
顔はどうしても焼きたくないのです。
シミとか気になるから・・

顔は日光浴しなくても良いですよ。
腕や足で日光を浴びてください。
顔より面積も広いから、効率良くビタミンDが作れますね!
まとめ


なんだかもうわけがわからない。
多すぎて覚えられないわ!!
大丈夫です。大切なのは・・・

毎日しっかり太陽にあたって、肉、魚貝、野菜類を中心にたっぷり食べて、
運動して下さいってことです。
極端なことはしません。
乳製品のとりすぎには注意です。
最後に
骨に良い栄養素を意識して日々摂り続けることは、将来の骨粗鬆症の予防になります。
骨量は、成長とともに増えて、20代前半でピークに達します。
20代から40代半ばにかけて最大量を維持しますが、その後は増えることはありません。
減るだけです。
子供の頃にしっかり骨量を増やして置けば、大人になって、骨量が減少しても、骨粗鬆症になりにくいと言えます。20歳頃までに、是非骨量を高めておきたいです。
骨を作る大切な時期に、栄養失調を招くような偏ったダイエットは、将来の骨粗鬆症を作ることになりかねません。

たまには骨と栄養のこと、意識してみて下さいね