『花粉に反応しない体になりたい』花粉症対策:家でできること

栄養・健康

花粉症最悪だわ。
毎年病院に薬もらいに行くの面倒だわ〜、薬飲んでも、目は痒いし、鼻水も出るよ。花粉症にならない人って、何が違うの?

毎年くり返す花粉症。
少しでも軽くするために、家でできることがあります。

満たしておきたい栄養素などを紹介しました。

まずは、花粉症になる人は、どうすれば楽になるのか。なる人とならない人は、何が違うのでしょうか?どうしたら症状を抑え込めるのか、見てみましょう。

忙しい方は、ハイライトした箇所だけ目を通してください。

花粉症って何が起こっているのか

花粉症とは免疫細胞が暴走して、過剰にヒスタミンを放出した状態 です。

本来は、免疫の暴走を抑制する細胞が働いて、症状を起こさないようにしてくれています。

え、何?

免疫が暴走しないようにすれば、症状も減らせるってこと。

免疫を暴走させないために必要な細胞:Treg細胞

暴走した免疫細胞を抑制してくれる細胞があります。

それが、制御性T細胞:Treg細胞

炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患を引き起こす、過剰な免疫反応を制御する働きを担っています。

Treg細胞は、花粉症の症状を悪化させるIgE抗体の産生を抑え、粘膜でさらに花粉が入ってこないように、IgA抗体の産生を促して対応してくれます。

免疫をいい感じに調整してくれるのね!
Treg細胞増やしたい!

ですよね

免疫細胞の暴走を抑えるためにTreg細胞を増やしたい

免疫細胞の暴走を止めたい!ならなんとしてもTreg細胞を増やしたい。Treg細胞を増やしてくれるのは、腸内細菌の酪酸菌。

Treg細胞を増やしてくれるのは酪酸菌

酪酸菌とは、短鎖脂肪酸である酪酸を産生する腸内細菌。酪酸は、腸管内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑え、炎症を抑えて免疫を調整してくれます。この酪酸菌が、Treg細胞を分化誘導することで、免疫暴走が抑制されます

腸内細菌は代謝産物のひとつとして酪酸を産生することにより,大腸において制御性T細胞の分化を促進することが明らかになった

古澤之裕他 腸内細菌の産生する酪酸による制御性T細胞の分化の誘導 Nature, 504, 446-450 (2013)

酪酸菌を増やしたいならサプリで取れます。

酪酸は糠漬けに入っていますよ。台湾の臭豆腐にも。でも入っている食品が少ないのです。市販のミヤリサンや、処方薬のミヤBMを摂取することでも、酪酸菌を簡単に摂取できます。それだけで楽になる人もいるかもしれません。でもそれだけでは力不足。

酪酸菌をより元気にするために、必ず酪酸菌のエサも一緒に取りたい。餌を食べた酪酸菌がもっと酪酸を作ってくれますから。

酪酸菌のエサ

酪酸菌に酪酸を産生してもらうためには、酪酸菌にエサを与えなくては!普段の食事で、水溶性食物繊維とフルクトオリゴ糖を摂取するように、意識しましょう。

酪酸菌のエサ
  • 水溶性食物繊維
    納豆、もち麦、ごぼう、おくら、干しプルーン、モロヘイヤ、などなど
  • フルクトオリゴ糖
    玉ねぎ、アスパラガス、はちみつ、バナナ、ごぼう、トマト、

SIBOの症状のある人や、お腹の弱い人は、オリゴ糖は高FODMAP食材になりますから取りすぎ注意です。体の調子を見つつ摂取しましょう。

FODMAPについては☞こちらの記事もどうぞ。

舌下免疫療法
Treg細胞を増やすことが花粉症の症状改善に有効です。花粉に対する免疫反応を抑えるために、わざと、花粉やアレルギーの原因物質を舌下に入れて、IgAとTreg細胞を増やしておき、花粉に過度に反応しない状態を作って、根治を目指す新しい治療法です。
数年かかりますが・・。

免疫の最前線は粘膜 ならば粘膜は強い方が良い

粘膜を強くしたい。

外からの異物や菌などが容易に体内に侵入しないように、粘膜細胞の上は粘液で湿潤状態になっています。入ってきた菌やウイルスを絡め取って、無毒化し、便として排泄しています。もし、粘膜の働きが弱ってしまえば、容易に菌や異物が体内に侵入してしまいます

粘液の中にいて常に敵が来るのを待っているのがIgA抗体 

IgA抗体は入ってきた抗原(菌やウイルス、花粉など)の中和を行い、無毒化してくれる粘膜免疫の主役です。 IgA抗体が潤沢であるほど、敵は入ってこれない仕組みです。

抗原が大量で、IgA抗体で対処できる量を超えてしまうと、無毒化されずに抗原はさらに中に入り、IgE抗体が抗原と出会ってしまいます。するとマスト細胞によって炎症反応が始まります。このIgE 抗体が引き起こす反応が、花粉症の嫌な症状です。

入ってきた花粉を外に出すために、鼻水を増やし、くしゃみを起こし、これ以上入ってこないようにするために、鼻を詰まらせたりします。

結局、強い粘膜とはIgA抗体が多い状態の粘膜です。

IgA抗体増やすにはどうしたら良いの?

IgA抗体を作る材料は、グルタミンとビタミン A

IgA抗体を作るのに
  • ビタミンA
    レバーなど限られた食材からしか摂取しずらい。サプリメントや、レバーなどから取る必要があります。
    ビタミンA:レバー、ウナギ、ホタルイカ、銀鱈
  • グルタミン
    体内で合成できるアミノ酸の一種.体内で最も多く存在するアミノ酸です。その多くは筋肉内にあります。
    運動時や、外傷時、免疫低下時に多く消費されるため、適宜補給すると良いアミノ酸です。また、腸の粘膜細胞のエネルギー源にもなるため、胃腸粘膜を保護し、炎症を抑える働きがあります。下痢止めにも使えます。

グルタミンは肉魚他、色々な食品に含まれており、普段の食事で不足することは稀ですが、ストレス、疲労時、下痢の時などには、サプリで補給するのはありですね。

IgAを増やす水溶性食物繊維

IgA抗体の産生を増強する因子の一つが短鎖脂肪酸です。短鎖脂肪酸は腸管から吸収されて、IgA抗体の産生を強化します。

短鎖脂肪酸のひとつである酪酸を産生してくれるのが酪酸菌。酪酸菌の餌である水溶性食物繊維をとると、Tregだけでなく、IgA抗体も増やしてくれます。

また、ビフィズス菌も短鎖脂肪酸を生み出すので積極的に取り入れたいですね。

水溶性食物繊維は、IgAも、Tregも増やしてくれるのね!
素敵。

つまり 善玉菌が優勢で腸が良い状態ならば、粘膜も免疫も強くなって、敵:花粉から守ってくれるということです。

白米に、もち麦入れて食べよう!

粘膜細胞膜の構成成分の主なものはコラーゲンと脂質

細胞膜を作るにはコラーゲンと脂質が必要。

  • コラーゲン
    タンパク質の仲間で 鉄 ビタミンC  タンパク質 から成っています。
  • 脂質
    良い細胞膜には、良い脂質が必須。オメガ3系オイルが必要です。

摂取する油が、リノール酸や、トランス脂肪酸が多ければ、細胞膜の質も落ちてしまいます。

粘膜を強くするのに満たしておきたい栄養素

強い粘膜を作るために
  • 食物繊維 特に水溶性 善玉菌のエサ
  • 鉄 コラーゲンの材料
  • ビタミンC コラーゲンの材料
  • タンパク質 コラーゲンの材料
  • グルタミン 腸のエネルギー源 IgAの材料
  • ビタミンA  IgAの材料
  • ビタミンB  粘膜代謝に関与
  • ビタミンD 免疫の適正化 腸の粘膜細胞間の結合を強化
  • 亜鉛 ビタミンAを活性化 粘膜の適正化
  • EPA DHA オメガ3系オイル 細胞膜の材料

体のどこかに炎症があると、体は鉄の吸収を抑えます。鉄の吸収が悪い時や食べても鉄が上がってこない時、どこかで炎症が遷延している可能性が高いです。こういう時は、鉄不足を補おうと、サプリメントのヘム鉄を取るよりも、まずは、炎症を抑える治療を優先しましょう。サプリメントで摂りすぎた鉄は、活性酸素を出し、老化を早めてしまう可能性があります。

炎症は、副鼻腔炎、上咽頭炎、歯周病、カンジダ、などが隠れていることが多いです。
鉄欠乏に関する記事はこちら

細胞膜にオメガ3系のオイルは必要、でも酸化に注意!

EPAやDHAのサプリメントが沢山売られていますが、残念ながら酸化しているものも多数。酸化した油は、体を老化させる要因となります。

酸化した油は体の老化を加速させます。結構怖いよね。

えーー?!油の酸化って何・・・?
古くなければ平気でしょ?

☝︎知っておきたい油の酸化

オメガ3系の脂肪酸が、体に必須ということは、広く認知されています。ただしそれは、酸化していない、ということが条件です。酸化した油は、過酸化脂質を体内で作り、動脈硬化や、ガンなど様々な病気の原因になるからです。オメガ3系は酸化しやすい油でもあります。

オメガ3系の油;魚、EPA、DHA、エゴマ油、アマニ油
を摂取するなら、留意したいことは・・・

  • サプリメントで取るなら信頼できるメーカーのサプリメントを。
  • 食用油は小さい遮光された瓶に入ったものを購入して、すぐに使い切る。
  • 加熱しない。高温調理しない。
  • 揚げ油は繰り返し使用しない。
  • 電子レンジで温め直さない。
  • 干物は控えめに(過酸化脂質が多め。毎日食べるのは避けたい)

どんな油も、高温にすると酸化が進みます。同じ揚げ油をなん度も使うのは、是非辞めましょう。スーパーのお惣菜や、コンビニエンスストアの揚げ物などは、油が酸化している可能性に注意です。

えーじゃあ、
EPA取りたいなら魚は生で食べるしかないの?

何食べていいかわからなくなりますね。まずは高温調理を避けましょう。肉や魚を煮る、蒸す、は良いとして、焼く、揚げる、はできれば避けたいところ。

どうにかして脂質の酸化を防ぐことはできないの?
ジンギスカンとか、アジフライとか、食べたいのよ!

過酸化脂質が増えるのを防いでくれるのが、ビタミンEです。ビタミンEが酸化を防ぐと、その抗酸化効果は失われますが、ビタミンCが一緒にあると、ビタミンEの抗酸化機能が復活して、また過酸化脂質の増加を防いでくれます。

例えば、サーモンとアボガドとオリーブオイルのビタミンEとレモンのビタミンC、の組み合わせとか、良いですね。

ビタミンE:アーモンド、オリーブオイル、アボガド、大豆、うなぎ、卵、全粒穀物

花粉症にビタミンDは外せない

ビタミンDには免疫を調整する働きがあります。

ビタミンDの半減期は2〜3週で、食べ物から摂取するビタミンDは少なく、体が必要な量の9割以上が紫外線によって皮膚で合成されています.もし太陽に当たっていないなら?日焼け止めクリームをしっかり塗った生活を繰り返していたら?当然ビタミンD欠乏状態です。さらに、加齢でビタミンDを作る力は落ちていきます。

また、ビタミンDは、腸粘膜の細胞間の結合をしっかりさせるのに必要です。不足すれば、緩んだ細胞間の隙間から異物が漏れ出し、食物アレルギーの原因を作ります。結合状態が良好で腸が健康であれば、善玉菌も住みやすく、短鎖脂肪酸を産生してくれますから、免疫をあげてくれるので花粉症の改善にも大変重要と言えます。

1日に必要なビタミンDを椎茸で摂取するなら、5キロ食べることになります。

え!無理でしょ

日光浴はすごく大切なのです。

できない方はビタミンDサプリ(1日5000IU)をお勧めします。

ビタミンDはビタミンAとレセプターを共有しているので、ビタミンDを多めに摂取すると、相対的にビタミンAが欠乏してしまうことになります。

ビタミンA とDは一緒に摂取できると良いですね。

花粉症の症状が出やすい人はどんな人?

結局、花粉症を治したいなら、栄養を満たして、腸を良くすることが最優先となります。腸の状態が免疫反応を左右するからです。

腸の状態が悪い人。
善玉菌が少なく、悪玉菌優勢で、短鎖脂肪酸を産生してくれる酪酸菌やビフィズス菌が少ない。

こういう人は、免疫が弱くなりやすく、花粉症の症状が出やすい、ということになります。

粘膜強化に必要な栄養素が不足している人も同様。

特にビタミンD不足の人はとても多いから!!!!!

腸の状態が悪いって言われても・・

とりあえずどうすればい良いのか教えて?

腸を良くしたいなら、まず腸の負担になることを知る

まずは避けたい 腸に負担をかけること ⬇︎


人工甘味料、化学調味料、小麦、乳製品、
カフェイン、アルコール、酸化した脂質、
トランス脂肪酸、過度の糖質、ストレス

また、
早食い、大食いや、消化酵素や胃酸が不足している人は、食べたものの消化が追いつきません。消化されないままの、未消化物が腸に入ってくると・・・悪玉菌が喜びます。

  • 消化酵素が少ないなら
    消化酵素のサプリメントで補う 消化が良くなると、徐々にタンパク質が満たされて、消化酵素を作れるようになってきます。
  • 胃酸が少ないなら
    食直前に大根おろし、レモン水、柑橘類など酢っぱい系の追加 ストレスの回避

自分に合わない食材を知らず知らず食べている人も腸に負担をかけています。これは、栄養療法をやっているクリニックなどで、遅延型フードアレルギー検査をすると分かります。もしあれば、その食材を一定期間避けます。

ストレスで過食傾向にあるなら、百草丸を試してみるのも良いですね。ドラッグストアにありますよ。メンタルと腸に有効な生薬が含まれます。

炎症を起こしやすい食材

リノール酸などのオメガ6系のオイルを過剰摂取すると、体内で炎症が起こりやすくなります。アレルギー疾患(花粉症や、アトピーなど)の誘発原因の一つです。

現代人は、日常の食事でオメガ6系のオイルを十分に摂取できており、本来の必要量をすでにオーバーしています。外食や出来合いのものを買っているのでれば、尚更。オメガ6系の油は悪者ではありませんが、量が多すぎると、炎症を誘発してしまいます。オメガ6系オイルは控えめくらいで丁度良いかもしれません。

オメガ6系オイル:コーン油、べにばな油、大豆油、ごま油、サラダ油、グレープシードオイル

炎症を抑えるサプリを取り入れる

花粉症に有効な抗炎症サプリといえば、ケルセチンは有名ですね。

ケルセチン

玉ねぎの皮に含まれるポリフェノールで、抗炎症、抗酸化、抗アレルギー作用を持っています。サプリメントのケルセチンには、ブロメラインというパイナップルから抽出した酵素が一緒になって販売されているものが多いです。ケルセチンだけより、ブロメラインを共に摂取したほうが、吸収が良くなるためです。ブロメラインはタンパク質分解酵素なので、炎症部位の毛細血管に詰まったフィブリンを溶解することで、血流を改善し、炎症(鼻炎など)を鎮静させる働きがあります。海外ではこれが花粉症セットとして知られています。

ビタミンCもケルセチンと共に摂取すると互いに助け合い、ケルセチンの効果を高めてくれます。ブロメラインはパイナップルアレルギーのある人は注意です。

クルクミン

ウコンに含まれるポリフェノールの一種。抗炎症、抗酸化作用を持っています。免疫の暴走を抑え、調整してくれます。

ウコン!
食べるべきは、スパイスカレーですね。

私はこの季節、ケルセチンのお世話になって

ます。

花粉症なら取り入れたいアロマ

花粉症にアロマ これで全てが解決するほど花粉症は甘くないのですが、できることがあるのは嬉しい。私の場合、症状が軽くなると、精油の効能を実感。症状がひどい時はそれどころではなく、もっと根本的な解決(食事と腸の見直し)が必要でした。

花粉症ならお試しを
  • ユーカリ くしゃみ鼻水鼻づまり
  • ラベンダー 呼吸を楽に
  • ティートリー 殺菌消毒 抗炎症
  • フランキンセンス 粘膜に 気管支の炎症
  • ペパーミント 鼻づまり 咳 鼻詰まり
  • ハッカ イライラ鎮静 抗菌
  • レモン 抗炎症 抗菌
  • カモミールローマン 目の痒み 鎮静 

カップに80度くらいの熱めのお湯を入れて、オイルを1〜2滴。頭から乾いたタオルをかぶって、湯気が逃げないようにして蒸気を1分程度吸うのよ。
目は閉じてゆっくり。

花粉症用にブレンドされたオイルも売られています。

まとめ 花粉に反応しない体になるために今からできること

花粉に反応しない体のために
  • 免疫が普段から落ちないように、ストレスのマネージメント
    瞑想、自然に触れる、ストレス要因の排除、
  • 腸に良い食習慣の見直し 腸の負担になる食材をいれない
    ❌人工甘味料、化学調味料、小麦、乳製品、カフェイン、アルコール、酸化した脂質、トランス脂肪酸、を入れない
  • 過度の糖質 カンジダ菌を増やし腸内環境の悪化要因 
  • Treg細胞を増やすために、食物繊維
  • IgAを増やすために、グルタミン、ビタミンA
  • 炎症を抑えるハーブ 
    ケルセチン+ブロメライン クルクミン
  • 粘膜細胞強化に、タンパク質、ビタミンC 、鉄、オメガ3系脂質

多い。

花粉症におすすめの、超厳選したやつ教えて!

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ケルセチン
  • 食物繊維 善玉菌!
  • 腸に負担になる食材を口に入れない!

参考:齋藤糧三 サーファーに花粉症はいない 2021.1

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