[中性脂肪が低い人]低血糖とストレスでエネルギーが作れないかも?

栄養・健康

健診で特に何も引っ掛からなかったわ。

中性脂肪が低かったけど、
痩せてるから低いんでしょ?

問題ないよね。

中性脂肪は高くないから良い、
という訳ではありません。

低い人も注意することがありますよ。

もし、あなたの中性脂肪が低くて、運動が嫌いか運動不足で筋肉量が少なくて、
疲れやすくて、午後4時頃にはお菓子が必要なら、
低血糖や、慢性ストレスが影響しているかもしれません。

中性脂肪が70以下だった人に向けて書きました。

この記事で、中性脂肪が低い原因と対策を知ることができます。

補食や、サプリメントの力を借りつつ、
エネルギーを効率よく回して、不調のない毎日にしたいですね。

忙しい方はハイライトした箇所だけ目を通してください。

では中性脂肪についてザックリいきます。

中性脂肪は脂肪細胞の主成分で、エネルギーの貯蔵をしている。

グリセリンに3分子の脂肪酸が結合したものがトリグリセリド=中性脂肪で、
肝臓で合成されます。
水に溶けないので、タンパク質などと合体してリポタンパク質
という形になって血中を運ばれています。
脂肪細胞の主成分で、エネルギーを貯蔵しています。
必要なときに、分解してエネルギーを作ります。

中性脂肪って、コレステロールと何が違うの?
中性脂肪もコレステロールも同じ脂質ですが、働きが違います。
コレステロールは体の全ての細胞膜の構成成分です。
脳と神経系に多く含まれ、ステロイドホルモンや、ビタミンD、脂肪を消化する胆汁酸の原料でもあります。
高コレステロールが悪いこととして認知されていますが、悪さをするのはLDLの一部のsd-LDLで、全てのLDLコレステロールが悪玉ではありません。
コレステロールについては、☞コチラもどうぞ。

中性脂肪の種類は2つ。10時間以上絶食時に採血したい理由。

中性脂肪には食事から入ってくる脂肪と、肝臓でつくる脂肪は主に2種類あって、
この2つの合計を測って見ています。

食事から入ってくる脂肪由来の外因性の中性脂肪 

食べた脂質はまず肝臓を拠点に、全身の脂肪細胞に運ばれて貯蔵されます。

血中ではCM(キロミクロン)というリポタンパク質として存在します。

食後5時間ほどでピークに達し、10時間で基礎値へ戻ります。

肝臓で合成される内因性の中性脂肪 

肝臓で合成される中性脂肪は、
血中ではVLDL(超低比重のリポタンパク質)として存在します。

☞食後10時間以上経ってから測った中性脂肪は、
食事由来の中性脂肪の影響は少なくなりますから、
採血結果は、ほぼ内因性の中性脂肪VLDL、
つまり肝臓で合成している中性脂肪の量をみていることになります。

中性脂肪が高いか低いかは、何が決めているのか

中性脂肪は肝臓で作られた後、末梢組織でLPL(リポタンパクリパーゼ)という酵素の働きで、脂肪酸を遊離して、組織に取り込まれます。

  • LPLの活性化が低下すると、組織にVLDLが取り込まれないので、血中の中性脂肪が上がる
  • LPLの活性化が進むと、組織にVLDLが取り込まれるので、血中の中性脂肪は下がる

ということになります。

LPLはインスリンによって活性化します。
高血糖でインスリンがたくさん出れば、LPLが活性化して、
中性脂肪が、脂肪組織に蓄えられます。
 ☞高血糖が続くと脂肪が増える、ということです

まとめると、

  1. 肝臓でのVLDLの合成
  2. 抹消組織でのVLDLの分解
  3. 抹消組織でのLPLの活性

これらの塩梅によって、中性脂肪の数値は左右されるということです。

・・・は?

中性脂肪を
肝臓で作る量と、
組織で分解する量と、
その分解を促進する酵素がどれだけ強いか、
によって、
中性脂肪が高いか低いか、決まるってことです。

では、中性脂肪が低下する具体的な原因とはなんでしょうか。

中性脂肪が低下する原因:実は低血糖と、ストレスが関与

中性脂肪が低下するのはどんな時かというと・・・

  • 肝機能障害 
    肝臓での中性脂肪の合成と貯蔵がうまくできなくなります
  • タンパク質欠乏 
    中性脂肪を運ぶためにはタンパク質が必要ですから、
    リポタンパクの合成が低下してしまう。
  • 血糖の調節が下手 
    低血糖によるアセチルCoAの産生低下で中性脂肪が作れない。
    糖新生のために脂肪を分解。
  • 甲状腺機能亢進 
    LPL活性が亢進しているため。
    全ての細胞の代謝が亢進。消耗。
  • 低栄養・食事制限中 
    中性脂肪を消費して、エネルギーにする。
    中性脂肪を作る材料不足。
  • 過度な運動 
    蓄えられた中性脂肪がエネルギー供給のために大量に消費される
  • 遺伝的要因

口から入ってくる糖質や脂質やタンパク質が減れば、作る材料がないので中性脂肪は減る。

肝臓が悪ければ中性脂肪が合成できない。

激しい運動でエネルギーが消費されると中性脂肪は減る。

でも私、食事はちゃんと摂っているし、
肝臓も甲状腺も血糖も健康診断では問題ないし、

運動も特に激しくしていないのに、
中性脂肪が低いんですけど〜

とおっしゃる方、結構います。

このような方の中性脂肪が低いのは、
ストレスや低血糖が問題となっていることが多いです。

低血糖になると、分泌されるホルモンの働きで、中性脂肪が分解されます。

低血糖は緊急事態です。
体はホルモンを活性化して、何とかして血糖値を上げようと頑張ります。

グルカゴン、アドレナリン、成長ホルモン、糖質コルチコイドなどの
血糖を上げる働きのあるホルモンが分泌されると、
ホルモン感受性リパーゼという酵素が活性化します。

ホルモン感受性リパーゼは、
脂肪細胞内の中性脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解します。

分解されて出来た脂肪酸はβ酸化をうけて、エネルギーとなり、
グリセロールは糖新生されて、グリコーゲンとなり血糖値を上げます。
  ☞低血糖の危機を脱します。

じゃあ、低血糖で痩せるってこと?

低血糖は体の危機です。
痩せるために、ただ食べない、のは絶対ダメなんです。

メンタルバランスが崩れて、
体力も激減してしまいますよ!

血糖のコントロールが下手で、低血糖を繰り返す人ってどんな感じ?

血糖が下がった時に出てくるホルモンは、
戦いに挑む時、危機に直面した時、運動時、などに分泌されるものです。
大きなストレスに体が負けないように対処しているのです。

低血糖を繰り返している人は、
このストレスに対処するホルモンをしょっちゅう分泌していることになります。

当然中性脂肪は分解されるので、減りますが、
何より、
低血糖でアドレナリンが分泌されるので、強い交感神経症状が出ます。⤵︎

低血糖の症状とは・・・

体がこわばり、緊張状態、イライラ、生あくび、
手足の冷え、震え、
異常な疲労感、頭痛、目の奥の痛み、日光が眩しい、
甘いものへの渇望、睡眠の質の低下、
鬱症状、眠気

など多彩な不快症状が伴いやすい。

低血糖になると、中性脂肪が下がるだけじゃなくて、
いろんな症状が出るのね。

やだわ。

血糖には日内変動があって、
朝4時頃と午後4時頃に最も低下します。

ですから、血糖のコントロールが下手な人は、
初期は特に午後4時ごろの血糖が維持しにくいので、
お菓子など甘いものが欲しくなったり、イライラしたり、
手が震えたり、頭痛があったりしますよ。

え!そうなの?

私も低血糖だったのかも?!

低血糖になると、脂肪と筋肉を分解して糖を調達している。

低血糖になると、脂肪だけではなく、骨格筋のタンパク質も分解して利用します。

  • 中性脂肪を分解してできたグリセロール
  • タンパク質を分解したアミノ酸
  • 筋肉で作られる乳酸

これらを用いて、肝臓で糖新生(糖を新たに作り出す仕組み)
をして、脳や筋肉のために必要なグルコースが補われています。

血糖が下がっても、
肝臓で糖を作ってくれる仕組みがあるのね!

よかった!

夜間の絶食時などは、
糖新生によってグルコースが合成されて
血糖を維持しています。

筋肉量の十分ある人は、筋肉にストックされているアミノ酸が供給されて、
糖新生に使われます。
しかし、
痩せて筋肉量の少ない人は、ストックされているアミノ酸も少ないので、
糖新生すると、自分の筋を分解して血糖維持をしていることになります。

筋肉を壊しながら血糖を維持しているってことですね!
いやだわそれ!

ですから、

  • 脂肪肝などの炎症があって、
    脂肪分解による糖新生がうまく回らない人
  • 糖新生するのに必要なカロリーもない虚弱な人
  • 筋肉量が少なく痩せている人

こういう人は、低血糖になり易く、症状も改善しずらいので、
不調の訴えも増えて多彩な病態を作ってしまいます。

タンパク質は体の大切な構成要素なので、
これを分解してエネルギーにするということは、
飢餓時など、緊急事態の対処です。

筋肉量があるということは、
血糖調節にとても大切なのです。

じゃあ、私どうしたら良いの?
筋肉減らしたくないわ。
低血糖って、治るの?

低血糖にならないように補食がオススメ。

まずは、1日に必要なカロリーは食事からしっかり摂ります
低血糖にならないように補食を加えます。
午前10時と、午後3〜4時に補食。
低血糖がひどい人は、
午前10時、午後2時、4時、8時と2時間毎に摂食すると落ち着いてきます。

何食べてもいいの?

低血糖の人の補食(少量食べます)

甘栗 芋 無添加砂糖不使用ドライフルーツ 
小さなおにぎり 無添加オーガニックの生ハチミツ
 など

補食に避けるべきもの(血糖を急上昇させる食材)

小麦粉、精製砂糖(砂糖、グラニュー糖、三温糖)
ブドウ糖加糖液糖、ショ糖シロップ、加糖ブトウ糖
これらはスナック菓子、スイーツ全般 
加工食品、清涼飲料水、栄養ドリンク、
市販のタレやドレッシング に多く含まれます。

MCTオイルを取り入れる。

エネルギー切れを起こさないように、
エネルギーになり易いMCTオイルを食事に取り入れてみる
パウダーや、ゼリータイプ、小分けしたMCTオイルも出ています。

お肉ならラム肉はオススメ。
カルニチンを含んでいるので、
脂質を早くエネルギーにできます。

アミノ酸をとり入れる。

タンパク質欠乏にならないように、
プロテインよりも消化の良いアミノ酸がお勧め。
ボーンブロススープ(骨を煮出して出てきた骨髄のスープ)
にもアミノ酸がたくさん含まれています。

補食で取り入れるなら
ボーンブロス、出汁、添加物のできるだけ少ない魚肉製品、ゆで卵

腸内細菌バランスによって個人差がありますが、
アミノ酸のサプリ:BCAAで
糖の代謝が改善する人もいますよ。

長期ストレスに曝されている人の中性脂肪はどうなる?

ストレスに曝されると、視床下部から脳下垂体を経由して
ストレスに対応するように、と副腎に連絡が入り、
コルチゾールを分泌して対処します。
ストレスが多ければ、コルチゾールの量が増えます。
これが長期に及ぶと、副腎が疲弊し、
コルチゾールを出せなくなってしまいます。

コルチゾールが出なければ、生きて行けません。

ストレスが長期に渡ると甲状腺は〜
  • 初期の疲労期






    副腎がコルチゾールをまだ出せるくらいの初期の疲労

    コルチゾールは甲状腺ホルモンのFree T4をfreeT3に
    変換する過程を抑制します。
    ストレスでコルチゾールが増えると、
    甲状腺機能は低下します。
    全身の代謝が低下しますから、
    エネルギーは低下し、むくんだり、
    低体温や、うつ状態になります。
    脂肪細胞を燃やす力もないため、
    中性脂肪は高めになります。

  • 慢性ストレスによって疲労が進む
    慢性の繰り返すストレスによって、
    体が求めるコルチゾールを徐々に出せなくなってくる時期

    コルチゾールの仕事を補うように、
    甲状腺ホルモンが分泌を増やして対応しようとします。
    甲状腺ホルモンのfreeT4からfreeT3への変換が進んで、
    甲状腺機能が亢進したような症状が出てきます。
    甲状腺ホルモンは全身の細胞の代謝を上げますから、
    エネルギーをたくさん作り、消耗し痩せていきます。
    当然、中性脂肪は低下します。

  • 末期の疲労期
    コルチゾールを出し続けて副腎がついに疲弊し、
    コルチゾール産生が低下した疲労の末期状態

    ストレスに反応して消耗しないように、
    甲状腺ホルモンの分泌を抑えて省エネモードで
    体を守ります。生存するためです。
    甲状腺機能は低下し、中性脂肪も高めになります。

このように、
どれだけ副腎がコルチゾールを出せているのかによって、
甲状腺ホルモンの量が変化し、
結果的に中性脂肪値も変わってきます。

中性脂肪が低い人は、ストレスによって、
コルチゾールが出にくくなっているかもしれません。

ストレスに負けないように副腎を守る栄養

何より、ストレスを避けて、疲労しないのが一番です。
しかしながら、症状は小さくても、
腸の状態や、脂肪肝、花粉症、副鼻腔炎、歯槽膿漏、
などさまざまな炎症がストレスとなり、
副腎を働かせ続けています。

まずは、副腎を労わるサプリを取り入れながら

しっかり寝て、休息します。

少しずつ、体の炎症を

消していきたいですね

ストレスに対応するために、満たしておきたい栄養素
  • ビタミンC
    1回1000mgを1日3回以上
  • マグネシウム 
    1日500mg 2〜3回に分けて摂取(一気にとると下痢する可能性)
  • ビタミンB5 
    ビタミンBは協力しあって効果を出すので、B複合体でとるのが良いです。
  • ビタミンE 
    ストレス全般に、抗酸化目的

まとめ 中性脂肪が低い人がすると良いこと

あなたの中性脂肪が低いのは、

脂肪肝 タンパク質欠乏 低栄養 
食事制限中 繰り返す低血糖 
甲状腺機能亢進 運動しすぎ

が原因かもしれません。

でももし、あなたにこんな症状があるのなら⤵︎

夕方4時頃になると甘いものが必須で、ふらふらして、
イライラして、頭痛もあったり、震えたり、
朝から筋肉がこわばり、腰痛、肩凝りが続き、
取れない疲労感、睡眠の質も悪い
日中もメンタルが安定せず、感情の起伏が激しかったり、
急に爆発、

思い当たるところがあるなら・・

低血糖症状や、慢性的で深刻なストレスに晒されている可能性がです。

エネルギーがうまく回っていません。

低血糖や慢性ストレスでエネルギー不足を起こしている人 
生きずらい人が今から家でできること
  • 1日に必要なカロリーはしっかりとる。
    MCTオイルを取り入れる
  • アミノ酸を意識して摂取。
    消化し易いボーンブロスや、出汁、卵、
    BCAAアミノ酸サプリメント
  • 補食で低血糖予防。
    午前10時、午後3〜4時に、補食を少量
    甘栗 芋 無添加砂糖不使用ドライフルーツ 
    小さなおにぎり 無添加オーガニックの生ハチミツ 
  • ストレス対応に必要なサプリメントを取り入れる。
    ビタミンC 1日3000mg以上 ビタミンB複合 ビタミンE
    マグネシウム1日500mg(2〜3回に分けて)
  • ストレスから逃げて副腎を守る
  • しっかり眠る、休む!

激しい運動は、低血糖が治って、
筋肉のボリュームがある程度増えてから!

エネルギーが回って初めて、
あなたの持っている本来の力が出せますよ!

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